大企業・中小企業にかかわらず求人を掲載しても応募が集まらなかったり、応募があっても有効な応募者では無かったりといった経験があるのではないでしょうか。
とくに応募者の母数が集まらない課題は、新卒や中途採用のどちらでも課題に感じている企業が増えています。
採用に関する課題は新卒と中途採用や、大手企業や中小企業の募集する会社の規模によって異なります。
この記事では、多くの企業が採用活動に対して抱えている課題を分析して、解決するポイントを紹介します。
新卒・中途採用の現状
厚生労働省が発表した一般職業紹介状況(令和4年3月分及び令和3年度分)によると、令和4年3月の有効求人倍率は1.22倍、新規求人倍率は2.16倍と高い水準で推移しており求職者数より求人数が多い状況です。
新卒採用においても求人倍率は1.5倍以上で推移しており、1人の学生を複数の企業で採用を競い合うような状況が続いています。
総務省統計局が発表している、労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の要約によると、2021年の平均就業者数は前年に比べて9万人減少しております。
正規職員は26万人増加し、非正規の職員・従業員数は26万人減少している状況です。
全体的な労働人口は減少しているものの、女性の労働人口の割合が高くなり、65歳以上の労働人口が増加していることが分かります。

採用課題とは?
採用課題とは、採用の活動を進めていくなかで課題になる部分のことです。
募集している段階なのか、応募者を選考するときなのか、実際に応募者を採用した段階とさまざまなフェーズごとに課題が生じます。
採用フェーズは次の3つの段階に分類可能です。
- 求人を募集している段階
- 応募者が集まり選考している段階
- 採用して入社している段階
採用課題がどのフェーズにあるのか把握する
採用活動を採用コストを抑えながら成功させるには、課題になっているのが募集段階なのか、選考段階なのかを確認して、打ち手を適切に講じることが欠かせません。
採用のフローを明確にしたうえで、それぞれのフェーズごとに応募者の母数を数値化しておきましょう。
例えば次のようなイメージです。

上記の図のように採用フローを数値化してまとめることで、課題に感じる箇所が明確になります。
上記の図では、書類選考から筆記試験に進んだ人は30%しかおらずとても少ないといえます。
このことから書類選考の基準や方法に課題があると考えられますので、各工程における状況を可視化することが解決策となります。
求人を募集している段階での採用課題
ここからは、採用フェーズのはじまりの部分である、求人を募集している段階での採用課題を解決するポイントを伝えていきます。
求人を募集している段階での採用課題としては次の3つの点が挙げられます。
応募が集まらない
応募が集まらない原因は、そもそもターゲットが適切でないことが考えられます。ほかには、給与や待遇が競合他社より劣っていることも原因の1つです。
求人情報に求める人物像を明確にしすぎると、求職者に求める条件が厳しくなりすぎるため、待遇や給与に見合ったターゲットから逸脱してしまいます。
応募資格を記入する欄には、入社するときに必要な最低限の内容を書きましょう。
さらに給与や待遇が競合他社より劣ってしまうと応募数自体が集まりませんので、競合他社の求人情報は常にチェックしておき、条件面が劣らないように調整する必要があります。
求めているターゲット以外の人材から応募が来てしまう
ターゲットとして設定した人材以外からの応募が多いときは、応募資格や求人情報の見直しが必要です。
例えば、経験者を募集したいのに未経験者ばかりが集まってしまう場合や、
若手の人材を集めたいのに応募者の年齢層が高いといったギャップに悩む企業は多いでしょう。
前者の原因は、経験者を採用するには給与面や、待遇面の条件が競合他社より劣っていることが考えられます。
後者は、応募資格を高く求めすぎたために若手の人材が応募しづらいことが考えられます。
自社で求めるターゲットではない人材からの応募が集まるときは、応募資格がターゲット層に合った内容になっているのかを確認しましょう。
若手の人材を集めたい場合は、応募資格欄はできるだけ書かないようにしましょう。
自社が欲しい人材のアピールをせず、求職者がほしいと考える情報を記載しましょう。
応募数が多くなってしまい対応しきれない
なかには応募が集まらない場合や、ターゲット以外の人材からの応募が多いといった課題とは違い、応募が多く集まりすぎて対応ができないというケースもあります。
特に、応募資格の条件が少ないと給与や待遇の条件が良いと応募が殺到してしまいます。
狙った応募を獲得したいなら、求人募集を出す前に給与や待遇の相場をリサーチしておきましょう。

選考している段階での採用課題
選考段階での課題は次の3点が挙げられます。
連絡をしているのに面接に来ない
有効求人倍率が高く、求職者が仕事を選べるようになると、選考結果を知らせ面接予定を入れているのに面接に来ないといったケースも見られます。
応募者は1社のみならず複数の企業に応募しているので、選考結果が早い会社ですでに内定が決定している場合も多くなり、面接に来ない確率が高くなってしまいます。
面接を辞退されないようにするためには、応募者への返信や面接日の連絡をスピーディーに進めましょう。
面接の辞退率が低い企業は、応募されてから24時間以内に返信をしています。オ
交通費や移動時間がかからずに、面接可能になるンライン面接もオススメです。
面接して採用連絡をしても内定を辞退される
内定を辞退されるケースは、新卒採用よりも中途採用の方が多いです。
中途採用の場合だと転職活動は勤務中にすることが多く、現在の勤務先から引き留め、他社から内定をなどの理由が多いです。
内定を辞退されないようにするには内定後も定期的にコミュニケーションを取り続けましょう。
求職者は内定をもらっても入社するまで様々な不安を感じています。
内定から入社まで一定の期間ある場合はなおさら、丁寧にコミュニケーションを取り続けることが大切です。
上司の面接で採用されない
一次面接を通過して、上司の面接の段階で不合格になってしまうといった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
上司の面接通過率が低いのは、採用したい人材と、求人内容が合わないことが原因です。
募集内容をチェックする際は、性格や人となりも細かくすり合わせをして、採用したいターゲットを明確にして認識を揃えましょう。
入社した後の採用課題
求職者が入社したにもかかわらず発生してしまう採用課題もあります。
それは主に次の2つです。
早期離職される
入社してくれたにもかかわらず早期離職してしまう原因は、入社前と入社後のギャップによるものがほとんどです。
また、新入社員の育成に問題があるのも早期離職の原因となります。
入社した人にギャップを感じさせないように、入社前にはネガティブな面もしっかり伝えておくことが大切です。
せっかく入社したのに人材育成の体制が整っておらず、研修や育成のフォロー体制がない場合も早期離職に繋がりやすくなります。
入社後に困ることや、つまづきやすいことを解消していくことが重要です。
ミスマッチが起きて活躍してくれない
中途採用者の場合、前職の経験や実績を活かして活躍してくれると期待して入社してもらったのに、思うような活躍をしてくれないといったケースもあります。
仕事の志向が合わない場合や、会社のカルチャーが合っていないことが原因として考えられます。
採用する人の前職と自社の社風やカルチャーが違うことを把握したうえで、自社の説明を丁寧に行っていくことが大切です。

求職者が採用活動時に感じる2つのポイント
採用について課題を感じているのは企業側だけとは限りません。
求職者が企業に対して課題に感じるポイントを2つ紹介します。
面接の際に対応してくれるスタッフの対応はしっかりしていますか?
求職者は応募したあと、企業を訪問して面接を受けに行きます。
会社に到着したら最初に対応をするのは、受付スタッフであることが多いでしょう。最初に対応するスタッフの印象は、求職者が企業に抱くイメージに影響を大きく与えるものです。
スタッフの対応に不備がある場合や、言葉遣いが乱暴だったり、面接の待ち時間が長かったりすることで、求職者は働く気持ちを失ってしまいます。
受付対応だけでなく会社内ですれ違った際に私語が多い状況も良くない印象を与えてしまいます。
求人を募集している期間中は、採用担当だけでなくスタッフ全員が良い案内を心がけるように事前に対応しておきましょう。
企業の魅力、やりがいについてきちんと説明できていますか?
面接時に企業の魅力、やりがいについて説明できていますか?
面接ではシフトや時給など待遇面の話ばかりしてしまうと、ここで働きたいという意欲を削いでしまいかねません。
求職者に対して志望動機にあわせて自社の魅力につながるような情報を届けられると、より職場に興味を抱き働きたいと思ってくれるでしょう。

企業側独自の課題の見つけ方と解決方法
採用活動において課題は様々ですが、多くは求人を出す前に工夫することで解決できます。
求人を募集する企業側で採用課題を見つける方法と解決方法を紹介します。
企業が採用課題を見つけるには、次の内容を確認しておきましょう。
採用手法が適切かどうか
採用手法も多様化が進んでおり、大企業や中小企業にかかわらず様々な採用手法に取り組んでいる企業が多いでしょう。
企業として採用したい人材が集まりそうな求人媒体に掲載していないことが原因で、採用したい人材のターゲットが集まらない可能性もあります。
採用基準が明確になっているか
そもそも採用したい人材がどのようなターゲットなのか明確になっていないと、人物像を想定できず必要な人材が集まりません。
採用が集まりにくい曖昧な採用基準は、以下のような文章です。
- コミュニケーションがとれる
- 積極的
- 〇〇の経験あり
曖昧なイメージではなく、採用基準を明確に示すことが大切です。
ただ、いくら採用基準が明確になっていても、面接官の中で評価基準が正しく共有されていなければ意味がありません。
採用ノウハウが蓄積されていない
効率的な採用活動を行うには、以前までの採用活動に対する改善すべき点や成功した内容のノウハウを蓄積しておくことが重要です。
しかし、採用活動の時間が少ない企業も多く、採用活動のノウハウが蓄積されていない場合もあります。
採用活動のコストは限られている
中小企業の場合、採用活動にかけられるコストには限りがあります。
大企業のように認知されている企業だと、コストを抑えて採用活動が可能となります。
認知度が高くない企業だと、予算が限られている状態で結果を伴わなくてはならず、とても難しい状況となります。

採用課題をどのように解決してくのか
ここからは、採用課題の解決方法について紹介します。
採用に関する課題を解決するには、企業側から求職者に対して積極的にアピールしたり、採用方法の見直しが必要です。
自社の魅力をアピールする
求人募集で応募者を多く獲得するには、自社の魅力を応募者に積極的に伝えることが大事です。
採用に関するブログなどを作成して、応募者のみならず多くの人に情報を公開していきます。
同時にSNSも活用すると、さらにアピールの効果が期待できます。
採用基準を明確にする
採用基準を明確にして、採用したい職種や求めている人物像をしっかりと明確に提示します。
たとえば、即戦力になるようなスキルや経験を持っているのか、社内の社員とコミュニケーションがとれる性格なのかなど、明確に伝えましょう。
採用活動にマーケティングを取り入れる
採用活動にマーケティングの考え方を取り入れるのも重要です。
マーケティング分析で使用する3C分析で求職者・競合他社・自社の3軸で分析を行い、採用に役立てましょう。
自社が伝えたいことだけではなく、求職者が知りたい情報や競合他社の情報を事前に捉えていきましょう。
仮説検証をしながら、自社の魅力や特徴を伝えていくことが大切です。
自社に合った採用手法を再度検討する
採用活動のとき採用する職種や予算に応じて、採用手法を検討しなくてはなりません。
求人や転職サイトの掲載は一般的なので、どの企業も行っておりますが、最近は新しい採用手法もうまれているので、応募者にアプローチできる幅が広がる可能性もあります。
最近はダイレクトリクルーティングや、リファラル採用、ソーシャルリクルーティングといった手法が注目されるようになりました。
どれも企業側が積極的に求職者にアプローチ可能な採用手法です。

まとめ
大企業や中小企業でも、新卒や中途採用のどちらでも採用が難しくなっている現状は変わらず、求人媒体に求人募集をしても有効な応募が集まりづらい状況が続いています。
それぞれの企業ごとに採用に関する課題はまちまちです。
採用が集まらない原因および課題が、どのフェーズにあるのかを理解すると正しく対処することも可能になります。
自社内で採用課題を見つけて正しく採用活動を行いたくても、社内で採用業務を行うのが負担になっているというケースもあります。
採用業務自体が業務負荷になっているのであれば、採用代行サービスを利用するのがオススメです。
採用代行サービス「採用ヒーロー」は、求人広告の掲載から応募者の面接まで全て引き受けしてサポートを行う採用代行サービスです。
どのような人材を採用したいのかを事前にすり合わせることで、応募者の選定から面接の段取りまで行うので業務も負荷がかからず採用が可能になります。
採用に悩んでいる方はぜひ採用ヒーローに一度、ご相談ください。

投稿者プロフィール

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事業会社でECサイト運営やSNS運用管理などマーケティングの仕事に従事。
2021年5月よりWebマーケティングの知見をもとにWebライターとして記事を執筆しています。
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