インセンティブは従業員のモチベーションを上げ、一人一人に正当な評価を下すことができる優秀な人事評価制度ですが、そこには大きな落とし穴があります。

結論、それは評価基準を決定することがとても難しいということです。

なぜなら、会社ごとに売上の上げ方、売上計上の算出の仕方、従業員の実力、人数などの変数が多すぎて、他社を参考にできないからです。

今回はインセンティブ設計の失敗例を踏まえて、導入をしない方がいい会社の特徴を実例を踏まえて紹介していきます。

社員のモチベーション
Businesswoman running into mousetrap. Concept business vector illustration.

インセンティブ制度を導入した失敗例

まずはインセンティブ制度を導入した会社の失敗例を紹介していきます。

弊社の実際のクライアント様からの事例を上げていきます。

※会社情報保護の観点から会社名は伏せています。

事例1:一部の社員しか適用されず退職者増加

株式会社Aは、今年8期目の人材派遣会社で、営業職は7人。月間の売上は2千万弱。
社長である佐藤さん(仮名)は、利益は出ているものの社員の向上心がないことに危機感を感じていました。

そこで教育改善として社員のモチベーションを上げるべくインセンティブ制度を導入しました。佐藤さんは「頑張りに応じて給料が上がるから、社員はもっと頑張るはずだ」と考えていました。

しかし、結果的に売上は上がることはなく、ほぼ横這いの状態が続き、社員の給料も大きく変わることはありませんでした。

むしろ、営業部門は1年間の離職数が多くなるという結果になってしまいました。

事例2:社員同士の協力がなくなる

株式会社Bは、大手の自動車部品製造会社。従業員は正規・非正規を含めると200人を超えています。

今年度に新規事業を始めることを決めた経営者の田中さん(仮名)は、正規社員の生産性向上のためにランキング形式のインセンティブ制度を導入しました。

作業完了率が高い人ほど順位が上がっていき、順位ごとに特別賞与が出るという施策で、田中さんは「競争力に火をつけて切磋琢磨してほしい」という思いを抱き、新規事業をスタートさせました。

しかし、結果は散々たるものでした。

順位制度を設けたせいで従業員同士の情報共有がまったくされず、生産性が低下し、想定していた売上の2割減の成果しか得られませんでした。

翌年からインセンティブ制度を廃止し、非正規を動員して事業を立て直しました。

事例3:事業規模の縮小

株式会社Cは、地方の中堅不動産会社。創業20年の老舗で、支店も5店舗あります。

営業力で長年残り続けたC社の社長である鈴木さん(仮名)は、近々息子に実質的な経営を任せて自分は社長を引退しようと考えていました。

そこで年々減少している売上に危機感を感じ、急遽インセンティブ制度を導入して社員の士気を上げ、「この先もずっと残り続ける会社」を目指しました。

しかし、インセンティブ制度を導入した3ヶ月後には売上が1割減り、2年後には2つの支店を閉じることとなりました。結局、息子に会社を任せることはできずに1から新規開拓に奔走することになりました。

売上低下

インセンティブ導入の失敗理由は2つだけ

なぜ上記の3社はインセンティブ制度の導入に失敗してしまったのでしょうか?

理由は2つです。

そもそも会社に合っていない

理由の一つ目は、そもそも会社の営業体制に合っていないということです。

インセンティブ制度を導入して成功している会社は、どれも人に頼らない売上の上げ方をしています。

つまり、人事評価で社員のモチベーションを上げようと考えておらず、あくまでオプション的に制度を利用しているのです。

さらに成功する会社は、営業スクリプトやシステムを強化する方面に注力し、誰でも一定の売上が作り出せる仕組み作りをする努力をしています。

これからの時代は、一流の営業マンを作るのではなく、一定の成果を誰でも上げることのできる教育を作った会社が勝つ時代に突入しています。

設計が間違っている

理由の2つ目は、最初の設計が間違っており、売上が上がっても利益が残りにくい設計になってしまっていることです。

インセンティブの設計は難易度が高く、社員のモチベーション向上と会社の利益のバランスが非常に難しいです。

なぜなら、他社の人事評価が自社でも通用するわけではないからです。人員の配置や売上、経営状況などの様々な要素を加味して正確な判断をしなければいけません。

自社に合った正しい評価基準を作るためには、専門家やコンサルタント会社に依頼し、緻密に計算された設計を行わなければなりません。

インセンティブ制度の導入は覚悟をもって行う

ここまでインセンティブの失敗事例や失敗理由を紹介してきましたが、もちろん成功事例やメリットなどもたくさんあります。

ここで伝えたいのは「会社のルールを変える」ことへの覚悟をもち、万全の準備をしなければならないということです。

安易な気持ちで始めると会社の経営を傾かせる原因になりかねませんので注意してください。

計算

なぜインセンティブを導入するのか?

では、なぜたくさんの会社がインセンティブ制度の導入を始めているのでしょうか?

考えられる理由は大きく分けて2つです。

正確な評価ができない故の逃げの選択

1つ目は、人事評価を正確にできない経営者や、面倒に感じている人が多いからでしょう。

社員一人一人のタスクを管理し、会社への貢献度を測るのは相当な時間と労力を要します。

そのため、売上だけに評価基準を置き、それ以外の評価を無くすことで面倒な判断をしなくてすむインセンティブ制度の導入が採用されるのでしょう。

社員任せの経営

2つ目は、経営の中心が社員になっていることです。

特定の社員が会社の核として存在しており、もしその社員に辞められると会社が立ち行かなくなる状況なので、その社員を優遇するためにインセンティブ制度を導入している会社も少なくありません。

実際に会社の8割の売上は2割の社員が作っていると言われています。

このような状況は仕方ないにしろ改善は必要でしょう。

パレートの法則

残された方法は一つのみ

もちろん、ポジティブな理由でインセンティブ制度を導入している会社もあります。ですが売上が伸び、離職率が下がるような明確な成功といえる事例は多くありません。

導入するだけではなく、導入後の成果ベースで判断することが重要です。

これからの人事評価

現代の日本では人事評価はそこまで意味をなさないのかもしれません。

それよりも会社を回すために多くの採用を実施し、会社に合わない人材を振るい落としていくことが業務の効率化に直結するのではないでしょうか?

今一度、自社の人事評価の部分を見直してみてはいかがでしょうか?

採用に注力することが残された道

日本の平均離職率は年々上がり続けています。

これは転職のハードルが下がったことや、終身雇用の崩壊などの様々な要因がありますが、この先も上がり続けるでしょう。

その中で企業が出来ることは内部の制作で離職率を下げることはもちろんですが、最も有効な手段は採用に力を入れ続けることです。

入職率・離職率の推移
引用:令和2年の入職と離職(厚生労働省)

まとめ:採用に力を入れていこう

ここまでインセンティブについて解説してきましたが、ここ最近で社員の仕事への向き合い方は大きく変化しつつあります。そんな中で、そもそも人材採用活動でミスマッチが発生していては元も子もありません。

しかし「そんなにコストをかけて人材採用できない。」「いまさらそんなノウハウを身につける時間もない。」そんな悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。

採用ヒーローの説明詳細

採用ヒーローは「初期費用0・ランニングコスト0」 の応募課金型集客(RPO)サービスなので、応募が入らない限りは0円でご利用できます。応募受付にかかる時間や、受付スタッフを採用するコストもカットできるので、コストやノウハウについてお悩みの方も気軽に導入していただけます。

コストをかけずに採用業務を効率化したいという場合には、ぜひ採用ヒーロに問い合わせてみてはいかがでしょうか?

投稿者プロフィール

山田 裕生
山田 裕生
編集者として原稿作成・SEO集客などを学び、「採用ヒーロー」の運営にジョインしました。今まで応募は来ないが費用がかかって困ってる企業様のサポートをできるようにお役立ちコンテンツを提供していきます。