若手社員を育成をするうえで、若手社員の特徴や育成課題を理解したうえで制度を導入することが重要です。ただ若手といっても新卒1年目/2年目/3年目と階層ごとに求められるスキルは異なるため、どのように育成していけばよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

若手人材育成の目的

若手人材育成の目的は、「会社の即戦力としていち早く成長してもらうこと」です。

少子高齢化の影響もあり新卒や若手の人材獲得競争は年々激化し、限られた人員を適切に育成する必要があります。

また若手人材は将来会社の中核を担う立場でもあります。そのため将来的なリーダーを育てるという観点で、会社がどんな役割を求めているのか?を明確にしていき、会社に長く定着してもらう効果も期待できます。

若手人材育成

若手人材の特徴

若手人材育成を行ううえで特徴を抑えておくことは必要不可欠です。

現代の若手社員たちは、以下の3つの特徴を持っています。

・主体性が高い反面、失敗を恐れている

・情報収集能力に優れている

・多様な価値観を持っている

主体性が高い反面、失敗を恐れている

さとり世代、ゆとり世代などと呼ばれることも多い若手人材は、仕事へのモチベーションも低いのでは?と思う方も少なくないと思います。

しかし、株式会社日本能率協会マネジメントセンターが実施した「イマドキ若手社員の仕事に対する意識調査2020」によると、近年の若手は仕事への挑戦心を高く持っていることがうかがえます。

その反面、他者からの評価を気にしたり、常にネットで正解を求めるあまり失敗を恐れてしまう傾向にあるという結果も出ています。

多くの若手人材が、仕事に対するモチベーションはありつつ、「失敗したらどうしよう」「評価が下がるのではないか」という感情も持っていることが分かります。

デジタルスキルが高く情報収集能力に優れている

近年の若手人材は幼少期からSNSなどのネットサービスが身近にあり、デジタルネイティブ世代と呼ばれています。そのためネット上で情報を調べる方法を心得ており、情報収集能力も高い傾向にあります。

多様な価値観を持っている

企業の理念にSDGsが採用されるなど、現代は多様性の時代です。若手人材は「多様性を認める」事は当たり前で、それぞれに考え方や人生観が違うことを理解しています。

個性が尊重されることが大前提であるため、従来の画一的な育成方法では、効率的な若手人材育成にはつながりません。

若手人材育成の課題点

若手人材育成の特徴を捉えたうえで育成を行う必要がありますが、そこには様々な課題が存在します。

若手人材育成の課題点は

  • 業務が多忙で教育体制が整っていない
  • 上司と若手間のコミュニケーション不足
  • 指導担当に当たり外れが大きい

以上の3つが存在します。

若手人材育成の課題点①:業務が多忙で教育体制が整っていない

1つ目の課題は、人材育成教育体制が整っていないことです。

若手人材を育成するうえで、教育側の時間や知識などのリソースを使わなければならず育成計画をしっかり策定する必要があります。

しかし、教育担当者や現場の上司は多忙で、育成に時間を割けていないという課題があります。

若手人材育成の課題点②:上司・若手間のコミュニケーション不足

2つ目の課題は、上司と若手の間のコミュニケーション不足が挙げられます。

一緒に仕事をする以上は上司と部下のコミュニケーションは必要不可欠。しかし上司の業務が忙しく若手が遠慮して声をかけられないなど、満足いく意思疎通ができないケースは多く存在します。

若手人材育成の課題点③:指導担当に当たり外れが大きい

3つ目の課題は、教育担当のレベルにばらつきがあり、若手の成長速度に影響があるという点です。

特にOJT等の場合は現場社員が若手を指導しますが、その裁量は担当者によってばらつきがあり、感覚的に合う/合わないという事象が発生します。

こうなると若手社員のモチベーションはどんどん下がり、結果的にパフォーマンスの低下や離職という結果につながる恐れがあります。

若手人材育成 課題

若手人材育成研修:目的別

実際に若手人材育成研修を導入する場合、どのような方法があるでしょうか?
まずは、研修目的別の育成方法を解説していきます。

目的別研修には、

・テクニカルスキル

・ヒューマンスキル

・コンセプチュアルスキル

上記の目的別研修が考えられます。

テクニカルスキル研修

テクニカルスキル研修とは、特定の業務を行う上で必要になる能力を習得する研修プログラムです。

職務によってその内容は異なり、エンジニアであればプログラミング言語、フレームワーク、データベースなどの具体的な技術を学ぶことが目的です。

テクニカルスキルはさらに
・汎用スキル
・専門スキル
・特化スキル
の3つに分類されており、実施方法にはeラーニング研修や集合研修などが挙げられます。

ヒューマンスキル研修

ヒューマンスキル研修は、対人関係能力を高めるための研修プログラムです。

仕事において上司や部下、他部署や他社とのかかわりが発生し、各ケースに合わせた目的達成のための内容を学ぶことができます。

ヒューマンスキルは、
・コミュニケーション
・ネゴシエーション(交渉力)
・ヒアリング(傾聴力)
・リーダーシップ
・プレゼンテーション
・コーチング
・ファシリテーション

の主に7つがあり、コミュニケーション研修やロジカルシンキング研修、ディスカッションを用いたゲーム形式の研修などが実例として挙げられます。

コンセプチュアルスキル研修

コンセプチュアルスキル研修は、発生した事象を概念化し、急な状況に対応できる力を養うための研修プログラムです。

基本的には中堅社員や管理職向けの研修で用いられますが、将来会社を引っ張っていく若手向けに導入している企業もあります。

社会情勢は日々変化し、事業課題も状況によって様々です。その急な状況に対応できる課題可決力を養い、状況を把握する力がコンセプチュアルスキルといえるでしょう。

若手人材育成研修:階層別

次に新卒/2年目/3年目の階層別の研修について解説します。

階層別研修ではそれぞれの段階別に目的が異なり、新卒は基礎を固める/2年目は主体性を高める/3年目はマネジメント力を鍛えるという様に分かれています。

新卒向け研修

新卒向け研修では、社会人としての基礎を作ることが目的になります。

そのためビジネスマナー研修、ビジネス文書研修などの基本的な研修から、プレゼンテーション研修、Microsoft office研修などを通して業務の初歩から学ぶ研修が多く実施されています。

まずは社会人としての心構えやコミュニケーションの基礎を学び、上司の指示を的確に遂行する能力を高めていく過程です。

新卒2年目向け研修

基礎的な研修を基に上司からの指示を的確に遂行する1年目と比べ、2年目に求められるのは主体性です。

自ら率先して業務を行い、新卒に対して初めて先輩として指導する機会も増えてくるでしょう。

ビジネスマインド強化研修を通してマインドセットを行い、ロジカルシンキング研修などのスキルアップ研修を通して、業務基礎から応用につなげていく年代です。

新卒3年目向け研修

新卒3年目は会社での立場や本人のキャリアプランに転機が訪れやすい時期です。

「石の上にも三年」という言葉もあるように、昇進や転職などキャリアの変化が多いのもこの年代です。

会社としては、次世代のリーダーとして会社の中心になっていく年代とも言えます。そのため、2年目で学ぶビジネスマインド研修やロジカルシンキング研修だけで、

・キャリアプラン研修を通し仕事の目標を明確にする

・マネジメント研修を通しチームをまとめる力を養う

といった研修方法が有効になります。

若手人材育成研修

若手人材育成のポイント

若手人材育成のポイントは、

①育成制度を充実させて計画的に研修を行うこと

②研修効果検証を必ず行うこと

の2点がポイントになります。

育成制度にはOJTやOFF-JT、社内研修や外部サービスを利用したeラーニング研修など多様な研修方法から最適な制度を選びましょう。

また育成計画には必ず振り返り期間を設けることで、実施した研修や教育効果が発揮されているかを可視化するようにしましょう。

一風変わった若手育成研修の事例

最後に、若手育成研修における他社の事例についていくつかご紹介します。

森林整備研修(サントリーホールディングス株式会社)

サントリーホールディングス株式会社は2014年から2017年にかけてサントリーグループ社員約6,000名による森林整備研修を行いました。

元々サントリーグループは、「人と自然と響きあう」という企業理念のもと事業を運営しており、研修では多くの社員が枝打ちや植樹などの森林整備活動を実際に体験しました。

非常に大規模な体験型社員研修を通して自社の理念の浸透と“自然との共生”というサントリーの価値観の共有化を図り、環境経営のさらなる推進に取り組んだ研修事例です。

セブ島研修(ギークス株式会社)

IT人材事業を主軸に展開するギークス株式会社は、2018年に新卒を対象にした「セブ島研修」を実施しています。

フィリピン・セブ島の同社のグループ会社「NexSeed」において、新卒を対象に約3週間、1日に7時間のカリキュラムで、「英語・プログラミング・チームビルディング」を中心に構成されたプログラムを行いました。

英語が苦手な社員やプログラミング未経験者にもチャレンジするマインドを植え付けることができ、配属後の成長スピードも上がったことから、多数のメディアでも取り上げられた事例です。

出前授業研修(コニカミノルタ株式会社)

電機メーカーであるコニカミノルタ株式会社は2014年、新入社員の社会貢献研修として中学・高校への「出前授業」を実施しました。

「出前授業」では、近年社会的に注視されている子どもたちの「理科離れ」や「キャリア教育のニーズ」を背景に、理科や科学に興味を持ってもらうことを狙いとし、4月に入社したコニカミノルタの新入社員全員チームに分かれ、東京・愛知・大阪の中学・高校6校で出前授業を実施しています。

新入社員にとっては、比較的年齢の近い中学生や高校生に対して、難しいことをわかりやすく教える訓練になるとともに、事前の準備や実際の授業を通じてチームワーク、リーダーシップ、スケジュール管理やコミュニケーション・スキルなどの日常業務の実践力を磨く機会を設けることができ、株式会社リバネスが主催する「教育CSR大賞」において、最高賞である「教育CSR大賞」を受賞しています。

若手育成

まとめ:様々な研修を用いた若手人材育成について

若手育成の方法と、目的別/階層別の研修方法について解説しました。

若手育成においては、育成対象者だけでなく指導側の強化も非常に重要になります。
上司や教育担当者には、多様な価値観を持つ若手社員の特徴をしっかり理解し、適切な育成方法で成長に導いていきましょう。

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投稿者プロフィール

中西平多
中西平多
中西平多 フリーライター
静岡県出身のフリーライター。これまでにWeb業界、広告業界、ゲーム業界にて営業・コンテンツ企画・メディア編集を行い、2022年より「採用ヒーロー」のコラム執筆を開始。得意ジャンルは就職/転職/人事などのキャリア系